君の名は レビュー
世間一般から見てかなり遅れてますが、先日観に行ってきたので感想でも。
見に行く前に男女入れ替わりの話というのは知っていたので、ある程度内容
予想して見に行きましたが、設定や話のパターンはそれほど目新しいものではないと言える。
比較的ありがちだなという意見は否定できないです。
あくまで個人的な感想としては、新海さんのは昔minoriのムービーで、くらいの知識でしたが
やっぱり綺麗でした。とくに空が。
ストーリーに関しては、テンポはよかったと思います。特にお互い入れ替わりの時の
日常のとこをスパッと切ってグダグダやらなかったとこはいい判断だと思います。
たいてい入れ替わりモノだとお互いの困惑のとこをグダグダやりそこに尺をとり
最後に事件という流れを、これだとアップテンポな挿入歌に合わせて、
お互いスマホの日記での擬似的なやりとりと会話で見てる人たちにも
面白く簡潔に伝わったと思います。
それが終わり少し進んでからの瀧君からの三葉に連絡をとろうとするシーンから
一気に動き始め、瀧君が三葉に会いに行き驚愕の事実を知る展開ですが、
まぁ入れ替わりのお約束として、同時間系列での入れ替わりでなかったというのは
お約束で、この作品もそれに則り、瀧君から見て3年前の三葉と入れ替わり
すでに三葉は死んでいるという流れだったが、、これを見てる人に気づかせにくいように
スマホという機械で上手く隠している(まぁ気がつく人は気がつくだろうけど)
これが三葉がガラケーだったらお互いの時間のズレに気がつくだろうが、お互いが
スマホを持っているということで、見てる側にお互いの時間のズレはない、
両方とも現代なんだと錯覚させる事ができている。まぁ三葉がガラケーでも
田舎だからで通るかもしれないが。そして三葉も都会に憧れていて
現代の知識を持っているというとこから、さらに見てる側にズレはなしと思わせる
演出をしてきている。それでも彗星とかまぁ?と思うとこはあるかもしれないが
初見ならさほど気にする人はいないのではないだろうか?
そして瀧君が糸守を探してやっと会えると期待させておいて
じつは彗星落下で壊滅してましたという、ある意味すごいオチ。
3年のズレがあったとしても、瀧君が夢のような感覚で戻ったら忘れてしまっても
これだけ凄い事件があった場所で何回も入れ替わり覚えてる間に
三葉の住んでる町名くらい調べてから会いにいけよと思うのだが。
その後は、ご都合主義だが三葉の中に入ってる時に行った御神体のあるとこで
過去に戻り、救うために四苦八苦するのだが、そこで二人が会うという
奇跡も、これまた序盤の「かたわれどき」という授業での内容が伏線となり
ましたが、この人の作品の空の綺麗さも相まっていい演出でした。
けどツッコミとしては、彗星落ちてくんだから早くしないととか。
三葉が駆けるシーンで急いでいても、彗星すでに割れてんじゃん。
今から父親説得して、住民避難して間に合うんか?的なツッコミはありましたが
まあそこは物語のお約束ということで。
その後、瀧君はなんでここにいたのか忘れてしまい、大人になっても
それでも名前も思い出せない三葉の事を引きずりながら
もやもや感で覚えてない風だが周りの人達
教えてあげなかったのかとか思う。いくら彼が信じられないことを言っていたとしても
せめて、「おまえはメル友?な彼女に会いに行ったけど実はその町は滅びて・・・」とか
教えてあげるべきじゃないのかな?と。これ周りの人間も記憶消えるの?と思いました。
夢のようなもので覚めたら忘れてしまうっていう設定で通すなら
もうちょっと個人的な話にまとめてもよかったんじゃないかなと思う。
まぁ少年時代の淡い思い出で大人になれば忘れていくって感じの
演出にしたかったのかもしれないですが、
最後の大人になってからの再会?で締めたかったもしれないのですが
この忘れてしまうっていうとこをもうちょっとひねりがあってもよかったかなと思います。
全体的には序盤の日常ルートをばっさり切ってメインにしぼり進行していったのは
よく最後まで飽きずにみれた感じでした。
小説の方は、これはあとがきでもこの作品は映画でこそふさわしいというような
事を言っているように、小説だと、やはり物足りない感は否めない。
ほぼダイジェストであり、目新しさもなく、所見なら面白いかも
しれないが映画を見たあとだと演出の足りなさを感じる。
やっぱりあの絵の綺麗さや音楽などがあってこそいい物語だと思えます。