AIR(Key) 7月31日(月)
7月31日(月)
神尾の家を出た往人は 街をでるバス停のところにいた。
あきらめ ただ一日通りを眺めていたが、やがて寝てしまう。
夢で見たのは 母親との出会い。
彼は小さい頃 寺に預けられていた。
そこに、母親が迎えにきたのだ。
彼女は 大道芸人のように行く先々で芸をしながら旅をしていた。
人を笑わせるのを生きがいに生きていた。
往人は再開した母親から人形を渡され 動かす練習などを受ける。
最初は 人形が動かなかった。
母親は彼にいう。
｢人を笑わせたいと思っている？動かしたい思いだけでなく
その先の願いに触れて 人形はうごきだすんだから｣と。
母親は翼を持った少女の話も教えてくれた。
自分達がその少女を探す使命を背負っていることも。
彼女はまた 旅に出るという。彼女は往人に一緒にいくか問う。
往人は彼女と一緒に行く道を選び取った。
旅の最中 往人は人形を動かせるようになる。
母親はほめてくれた。
往人は 人形を動かし続けた。
母親の笑顔が見たい一身で・・・・・・・。
そしてある夏の日、
母親は往人に伝える。
翼を持った少女と、それに対して自分達がなにも出来なかったことを。
そして人形の秘密を語りだした。
この人形にはいままでの自分達の先祖達、の願いが込められている。
自分の力が衰えてしまう前に、人形にその力を封じている・・・と。
いつか誰かが願いを解き放つ時のために、私も願いの一部になる・・・と
母親は語りながら、往人にある術をかける。それは
今 この場で話した事を忘れてしまう。・・それが
自分の受け継いだ力の一つ。
本来なら許されないが 往人に普通の自分の幸せを求めて生きてもいい。
どうするかはあなた次第・・・
それは 彼女の母親としてのわがままだった。
それでも いずれある街であなたは翼を持った少女と巡り合う。
それが宿命だから・・・もしその子を助けたいなら人形に
心を籠めなさい。
私はあなたと共にあるから その時まで・・・・
そういいながら彼女の体が透き通り始めそして消えた。
母親の力により今の出来事を忘れてしまった往人。
彼は 母親を探し続けた。もう一度母親の笑顔を見たかったから。
しかし時がたち 母親がいないことを悟ると旅の目的が
変わった。それは母親の言葉の断片で覚えている
空にいる少女の事・・その少女を笑わせてみたいと思った。
それが旅の目的になった。
だが旅をするうちに、人形を使う目的が変わってきてしまった。
ただのお金を稼ぐ道具に・・・。
そして 何度目かの夏。
とある田舎街で その少女と出会う。
自分が笑わせてみたいと思った少女に。
彼は気が付く、自分の力で誰かを笑わせたかった。
笑ってくれる誰かがそばにいてくれればよかった。
そんなありふれた願いだった。そして
気が付いたときにはまた失おうとしていた。
突如 子供の声が聞こえた。
寝ている往人を子供が除きこんでいた
いきなり 起きる往人におどろき逃げる子供。
その子供に彼は頼み込む。
この人形芸がどうやったら 面白くなるのか？
子供は 友達も連れてきて 協力してくれた。
いろいろ やるにつれ 子供達が笑ってくれた。
｢人形に心を籠める｣母親の言葉を理解する。
誰かを笑顔にすること。
これが往人の願いだったのだ。
子供達に別れを告げた後、彼は荷物をまとめ
急いで歩き出す。大事な人、笑わせてあげたい人がいるところへ。
夜 彼は帰ってきた。大事に想う少女の所に。
観鈴は寝ていた。
そんな観鈴のそばに行き、
もう自分はどこにも行かない。
おまえのそばにいると告げる往人
そして人形を動かし続けていた。
しかし 観鈴にはもう 目覚める力はなかった。
それでも 彼は人形を動かし続けた。
やがて時が立ち いきなり明るくなった。
夜明けかと 思ったがそれはちがった。
人形が輝いていて、往人は意識が人形に吸いこまれていくのを感じた。
そこに 聞こえるのは懐かしい母親の声。
いまこそ あなたのなすべき事を思い出しなさいと・・
意識が薄らいでいく往人は意識も定まらないまま
ただ 観鈴のそばにいることを、もし戻れたなら、
観鈴と出会ったときにもどってやり直したいと願う。
そして 彼は消えた。
それを見ていた｢そら｣は信じられないものを見る。
観鈴が目を覚ましたのだ。
それは 往人が起こした奇跡だったのか？
彼女は、まだ生きていることができたのだ。
彼女の夏はまだ続いていく・・・・。
さて 実際は ここでDREAM編が終わりです。
ある意味、往人の犠牲で観鈴は助かってめでたしめでたしと
思った方も当時はいたと思います。
っていうか、ある意味 その後がなければ、それなりに
ハッピーエンドですからね。
けど これでは、往人が人形の力を使い 解決という
安易なものすぎますし、空にいる少女にたいして
根本の解決には なってませんしね。
31日に観鈴はもう目覚めない可能性のとこは
いままでの少女なら、ここで死んでしまう可能性も
あったのでしょう。
そう考えると、一つのハードルを超えたと
捉える事もできます。
さぁ8月に突入です。長くて短い夏の物語も
後半に突入です。
活目して見ていきましょう；。
